隼人のHave a break!

気ままな隼人のつれづれ日記 楽しい時間を共有します

2016年04月

  20

 秋が終わり、季節は冬へと移って行った。
その頃の僕は、翔とアニータの支えになることを生き甲斐としていた。
だから、かえっていい仕事ができていたと思う。
僕の活躍を二人が喜んでくれたから。
僕は、時間があるかぎり彼らと過ごした。
翔に仕事上の意見を求めることもあった。
アニータは会社を辞めて献身的に翔に尽くしていた。
彼女は、金銭的なことを決して親に頼らなかった。
食事も自分で作っているようだった。
そんな彼女を見て僕は、彼女の覚悟が本気だと感じた。


 翔の傷は、まだ痛々しく、そしてサングラスをいつもかけていた。

「悟、そろそろ映画を観ようよ。」

アニータと僕は、顔を見合わせた。

「『Sleepless In Seattle』を観るって約束だったじゃないか・・・僕は音だけで情景がわかるから気にしないで。」

「わかった、観よう。」

 僕は急いでDVDを取りに戻った。
ついでにすべてのDVDを持ってきた。
もちろんポップコーンも。
映画には必需品だ。
いつものようにアニータが冷蔵庫からダイエットペプシを3本持ってきて、そして翔と僕の間に体をくっつけて座った。


「わからないところは、俺が説明してやるから・・・」

「大丈夫、勝手に想像するから・・・主役は誰なんだっけ?」

「そうだな、簡単に登場人物だけ説明しておこうか。トム・ハンクスがサム、その息子がジョナ、彼らはシカゴから引っ越してシアトルに住んでいるんだ。そして遠くボルチモアにいるアニーがメグ・ライアン。」

「『You’ve Got Mail』と同じふたりだね。オーケイいいよ、はじめて。」

 この映画は、小高い丘の上にある墓地でサムが息子のジョナに妻の死を説明しているところから始まる。
というより自分に語りかけているのだ。
サムは妻の死を現実として受け入れられないでいる。
僕は、この映画を何度も見ている。
目を閉じてみた。
翔が音だけで何を感じるのか自分も理解したかったからだ。
今どこにいるのか、誰と話しているのか、たぶん翔にはわからないだろう。
でも言葉には気持ちがある。感情は伝わってくるのだ。


 物語が進むに連れて翔なりの設定がされて、僕たちとは少しだけ違う物語を空想して楽しんでいるようだった。
それでも時々今誰が言ったの?とか、どんな表情をしたの?とか聞いてきた。

いよいよ物語も佳境に入ってきた。
最初にアニータの目から涙がこぼれた。
今回の涙は今までと違って清々しい涙だ。
翔のサングラスからも涙がこぼれ落ちる。
それをそっとアニータが拭き取ってやった。


「悟も逢えるといいね。」

翔が言った。

「ああ・・・」

電動カーテンが開いてゆく。
このカーテンが開くたびにドラマチックな物語が始まりそうで怖かった。
外は、雪が舞い始めていた。

今年はニューヨークでホワイトクリスマスだ。

ハワイ島のビーチで

ひときわ目立つトートバッグ

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オアフ島に住んでいる彼女とハワイ島で合流
お土産に持参したのですが
さっそくご愛用ありがとうございます!!!  ヾ(=^▽^=)ノ

  19 

 マルチェロは残忍だった。
愛が憎しみに変わったのか、それともプライドがそうさせたのか、わからない。
脇腹をひとつきに刺した後、倒れて苦しんでいる翔に馬乗りになり顔を傷つけた。
左手で翔の長い髪をつかんで床に押し付け、右手に持ったナイフでいたぶった。
それは、聞くに堪えない残忍な行為だった。

翔は、命こそ取り留めたが両目を失明した。
顔にも深い傷跡が残るだろう。
とにかく生きているのだからそれを幸いと言うべきなのか・・・それは10年経ってみないとわからない。


 顔を包帯でぐるぐる巻きにされた翔に会えたのは、1週間後のことだった。
東京から母親も駆けつけていた。
アニータは、ずっと翔に付きっきりであまり寝ていないようだ。
僕は、翔の手を握った。
本当に女の子みたいに細くて柔らかくて優しい手だった。
包帯で表情がわからない。
息をするために鼻と口にわずかばかりの隙間が開いているだけだった。
でも手から皮膚を通してくやしさが伝わってくる。 

「翔、ごめんな。俺・・・責任を感じてる・・・」 

 無責任にも、マルチェロに近づかせたのは僕だった。
それを、悔いていた。
翔の手に一瞬力が入った。
そして僕の手にもう片方の手を重ねた。


アニータが、僕を手招きした。
翔の手をそっとどけた。


「翔、すぐに戻ってくるから・・・」

翔がうなずいた。
母親を残してアニータとカフェに行った。

「私、翔の面倒を見ようと思うの。」

「アニータ・・・気持ちはわかるけど、そんなに簡単なことじゃない・・・中途半端な気持ちでできることじゃない。これからの翔の人生をすべて背負うってことなんだよ。」 

「わかってる・・・でも、決めたの。翔のママもわかってくれた。日本に連れて帰るって言ってたけど、翔の気持ちを優先するって。」 

「翔には、話したのか?」

「今は、その時じゃない。とにかく、翔が本当に私を必要と思ってくれるまで言わないつもり。」

「そうか・・・アニータ、俺もうれしい。もちろん俺だってできるだけ翔の手足になるつもりだ。俺たちは3人で一人だ。いいな、それを忘れないでくれ。」

「ありがとう。・・・悟、これが私の運命だと思うの。これからのことすべて受け入れてがんばってみる。」

「忘れるな、君は一人じゃない。俺もそばにいるから。」

アニータの手を握りしめた。彼女は、目に溢れんばかりの涙を溜めている。それが耐えきれずに落ちた。涙を手で拭うと精一杯明るく言った。

「うん・・・じゃぁ、さっそく車を売ってミニバンに買い替えなきゃ・・・ポルシェじゃ狭すぎるもの。」

 僕は、ありがとうと声に出さずに言った。
アニータは、軽くうなずいた。
その目はもう泣き虫の目ではなかった。

いつの間にかアニータの恋は、愛に変わっていた。

いつものお決まりの写真ですが
やっぱり彼にはかなわない
彼とは一緒に同行している友人のことですが
カメラが違うのか?
いやいや
彼はプロなんだから
悲しいかな実力の差ですね〜
私は彼らを撮っているカメラマンの中で
彼の写真が一番だと思っている
そして一番好き

ま、実力の差を思い知らされつつ
いつもの写真ですが
私の撮った写真をご堪能あれ


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ここもmahaloの撮影ポイントですね
HAWI近くの飛行場です
前にもアップしてますが

あ、maharoを撮ったのは彼じゃありませんよ
あしからず (^^)

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ハワイと言えば
ハイビスカスやプルメリアですが

他にもたくさんの花たちに出会えます


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そしていろんな花伝説に触れるのも楽しみの一つ

エンジェルトランペットのかわいいお話

オヒアレフア やナウパカの悲恋

この話は以前も書きましたよね???

ん?
書いてなかったっけ?

ま、いいか

エンジェルトランペットやオヒアレフアは
よく見かけるのですが 

今回初めてナウパカに出会いました
これはビーチナウパカ

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見てわかるように扇のように下半分しかありません 

昔火の神様ペレが恋をしますが
彼には恋人がいました 

嫉妬したペレが(ペレは嫉妬深いのです)
2人を引き裂いてしまいます

そして彼はビーチナウパカとして海側に
彼女はマウンテンナウパカとして山側に

この2つの花が重なると一つの花になるのです 

オヒアレフアの話はまたの機会に

 

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